和歌山県のみなべ町は、梅干しの生産量全国一。
そんな町で、クエタマという新しい高級魚の陸上養殖がはじまっています。
クエタマというのは、
クエ と タマカイ(ともにハタの仲間) をかけあわせた新しい魚の品種。
クエは、専門の漁師でさえ月に何本も獲れず、
あぶらの乗りのよい白身の高級魚として知られています。
「クエを食ったら、ほかの魚は食えん」
といわれるほど美味しくて、クエ鍋は和歌山の冬の名物。
一方、タマカイも、同じハタの仲間。
なんと、体長200㎝・体重400㎏にも達する巨大な魚です。
南シナ海やインド洋など、あたたかい海に生息。
台湾では「ハタの王様」と呼ばれ、さかんに養殖もされてます。
そんなクエとタマカイを掛け合わせて生まれたのがクエタマ。
みなべ町では、梅干しを漬けた樽を水槽にして、養殖しています。
㎏5500円の値段です。
そんなクエタマの、鍋と刺身、唐揚げを食べました。
刺身はこりこりと、予想よりもあっさり。
しかし、醤油にはひたひたーっときめ細かい油が浮きます。
日本酒に合わせると、よりいっそう甘みが際立ちました。
唐揚げはふわっふわっ。脂はぜんぜんしつこくない。
そして、鍋。
あの怖い顔を思い出し、こわごわ唇のまわりを食べる。
と、これが、にゅるりとコラーゲンたっぷり。超美味です。ちょっと甘めのポン酢も合ってます。
厚めに切った身肉は、すごい弾力でした。
どこまで広く、青い和歌山の海。
春の息吹きを感じた、みなべ町の旅でした。