JF全漁連のウエブマガジン「サカナディアSakanadia」の連載
『ニッポンさかな酒』にて、
「江戸っこ大好き、ねぎま鍋」の記事を掲載しました。
https://sakanadia.jp/sakana/negimanabe/
*
久しぶりに「ねぎま鍋」を食べました🌺
江戸のころ、まぐろは下等な魚とされていたようです。
近海ではなかなか獲れず、輸送に時間がかかり、脂身も多く、腐りやすい。
なので、塩漬けにしたものを長屋の人たちは食べていたようです。
そんなまぐろをいかにして美味しく食べるか。
そして、生まれたのが「ねぎま鍋」。
ねぎとまぐろを一緒に醤油で煮込み、
互いの臭みを消し合い、長所を引き立てあう鍋。
(マイナス)×(マイナス)=(プラス)ですね🍁
*
土鍋に醤油と酒を入れ、ぶつ切りの太い深谷(ふかや)ねぎを入れて火にかける🍲
煮立ったら、まぐろ(トロ)をサッと煮る。
煮すぎると身がかたくなるので、色が変わったくらいで上げます。
まずは、まぐろから。
醤油の香味とねぎの甘みが染み通り、とろけて消えるような食感と味わい。
まぐろの筋のところが、なんともイイ感じ。
とろとろ、です。
*
次いで、ねぎ。
ひとくち噛むと、真ん中の一番甘いところが、
にゅるり。
醤油と酒と出汁を吸って・・
う、う、たまりません。
この「ねぎま鍋」。
じつは、ねぎがメイン、とわかりました。
だから、「まねぎ」ではなく「ねぎま」なんですね🥰
*
合わせたのは、埼玉の「神亀(しんかめ)」。ぬる燗で。
ひとくち飲む。
やわらかい🍶
盃を重ねる。
まったくべとつかない。
腰があるのに、すっと上品に消えていく。じつにキレがいい。
なんという後味の良さ。
しみじみとうまく、やさしい。
「ああ、こういう人間になりたい」
と思わせる酒なのでありました。
ねぎま鍋と神亀。
絶妙のマリアージュです。