売らねば帰れぬ、東京へ─ 。
働くすべての人に贈る、 ビール営業マンの奮闘を描いた青春小説。
オレが変われば世界も変わる!
ビール会社のエリート宣伝部から、突然、売上げ最低支店に飛ばされたオレ。
待っていたのは小狡い上司と、だらけた空気。
田舎のドブ板営業を舐めきってきたオレは赴任早々、得意先で大失態を演じてしまう……。
しかし、ここで結果を出さねば本社へ帰れない。ならば、ようし、売ってやろうじゃないか!
アホな上司や性悪(しょうわる)同期に負けてたまるか!
瀬戸内の青い空と海を背景に、爽やかで、ほろ苦い、共感度120%のザ・営業成長小説。
PHP研究所の担当編集者・兼田将成さんから
手前味噌ですが……、ひと言。
まっさらだった新入社員── 。組織の一員となり、仕事を重ね、進め方がわかってくると、
どこかで「うまくやろう」という気持ちが顔を出します。
でも、そんな仕事の進め方は会社(組織)の方を向いて仕事をしているわけで、
お客様の方を向いて、お客様と向き合って仕事をしていないと、
あとから気づかされます。
社会を見渡し、ニュースを見聞きするに、会社(組織)の方を向いて仕事をし、
保身に走り、要領よく立ち回ろうとしている人間のなんと多いことか。
もちろん、そうではなく一生懸命働いている大勢の人たちがいることも知っています。
「私も、そうした大勢の働く人間の一人でありたい」
単行本刊行時、この書籍に出合い、そんな思いを強く持ちました。
このたび、文庫版を刊行できましたが、当時感じた思いは、いまでも変わりません。
昨今の食品偽装、司法の証拠改竄、事故に対する企業の対応等々のニュースを見るたび、
組織の方を向いて仕事をしている人間の多さがより顕著になっているのではないかと感じます。
読んで元気が出てくる作品ですが、
作品を通じて「働くことへの情熱」「素直な心」「正しい仕事」といったものを
いま一度見つめ直すきっかけとなりましたら幸いです。
(PHP研究所・担当編集者・兼田将成)