作家・吉村喜彦のホームページ

今日は、「2016年、記憶に残る食べもの」をご紹介していきます。
今回みなさんからお答えいただいたアンケートには、
とってもバラエティに富んだ食べものとエピソードが添えられていました。

 続いて山口県の「チャッポン」さんの「2016年、記憶に残る食べもの」
「自宅で食べる各種料理で味わうニンニク」といただきました。

「6月、熊本地震復旧ボランティアに行きました。仕事はニンニクの収穫です。
現地に着くと、1ヘクタールの畑にニンニクがいっぱい。2日後には雨の予報。
4日後には、出荷しなければなりません。たいへんな事態です。
蒸し暑い畑のなかには、80歳代後半と思われるお母さんが、
しゃがんで仕事をしていました。彼女にペットボトルのお茶を差し上げて、
『あとは、わたしたちがやりますから、休んでください』と申し上げて、
ボランティア・センターに追加派遣を依頼しました。
 それでも、お母さんは、
『神さまに来てもらったようだ』
といいながら作業を続け、
わたしたちも、あまりしつこく『休んでください』と言うのも、なんなので、
お母さんの仕事を黙って見守っていました。
そうするうちに、お母さんは、とうとう畑に横になって仕事をつづけました。
そして、ボランティア終了時間になって、帰ろうとしたときでした。
お母さんは、なんと袋一杯に詰められたニンニクを、わたしたちにくださったのです。
ダムや川は枯渇して、しばらく農業の収入は見込めません。
被災した家屋や家財の買い替えも必要です。
いろいろ先行きの不安を抱えながらも、一所懸命育てた
作物をたくさん持たせてくれたことに、たいへん恐縮いたしました。
お礼を言って、帰りの車までいって、畑の方向を見ました。
すると、疲れきったお母さんが、少し離れた畑で、
深く腰を折って、なんどもなんども両手を振って、見送ってくれていました。
このときの感動は、生涯、忘れることはありません。小生の一生の宝ものです。
いただいたニンニクを食べるたびに、思いを新たにしています」

 「チャッポン」さん。メール、どうもありがとうございました。
2016年4月に発生した。熊本地震。復興までの道のりは長く、
まだ仮設住宅で生活されている方も多くいらっしゃると聞いています。
 被災されたみなさまが、一日も早く普通の暮らしに戻ることができますよう、
お祈りしています。
 では、「チャッポン」さんが、熊本、そして、ニンニクから連想されるという
「五木の子守唄」。朝崎郁恵の歌で、お聴きください。
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M3.朝崎郁恵「五木の子守唄」               4:32
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M3.朝崎郁恵「五木の子守唄」

M3.朝崎郁恵「五木の子守唄」

では、今日、最後は、東京都の「ありんこ・ありがと」さんからのメールをご紹介します。

「わたしの2016年、記憶に残る飲みもの。それは煎茶です。
 そこそこ良い煎茶を使って、先生の指示どおりに、
1杯目、2杯目・・と入れていただきました。
1杯目の味は、『え?』という感じがして、
もっと驚いたのは、1杯目と2杯目の味と香りの違いです。
54年生きてきて、はじめて、煎茶の存在感に圧倒されました」

「ありんこ・ありがと」さん。メッセージ、どうも、ありがとさんです。
 ほど良い渋みと甘み、あと味の爽やかさが格別の煎茶。
ぼくが原稿を書きながら飲むのは、なんといっても、煎茶。
抹茶も好きなんですが、ちょっとメンドーなので、もっぱら、煎茶です。
急須に、ちょっと多いかな、というくらい茶葉を入れ、
摂氏80度くらいのお湯を注いで飲んでいます。
あのみどりの色と香り。ほんとに心が休まります。
年末年始に、ゆったりとくつろぎながら、おいしい煎茶を飲みたいですね。

 ということで、ぼくの大好きなマイケル・フランクス。
「St. Elmo’s Fire」を聴きながら、今日はお別れです。
この曲は、「Art of tea」というアルバムのなかに入っています。
では、みなさん。2017年も、どうぞよろしくお願いします。
Ciao! Ciao! (茶を、茶を)

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M6.マイケル・フランクス「St. Elmo’s Fire」       4:00
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M6.マイケル・フランクス「St. Elmo’s Fire」

M6.マイケル・フランクス「St. Elmo’s Fire」

プロデュース:吉村有美子