作家・吉村喜彦のホームページ

先日、山形と仙台に取材に行きました。
 久々に往復、クルマです。
 首都高の中央環状線の山手トンネルができてから、はじめての東北道。
 以前より、はるかに早く、川口ジャンクションを通過。
 最初に休憩をとった佐野サービスエリア(栃木県)で、おもしろい食べものを発見。

 「耳うどんのボンゴレロッソ風」(788円)
  耳うどん?
  文字通り、耳慣れない食べものですが、
  いったい、これ、なんでしょう?

「耳うどんのボンゴレロッソ風」(788円)
【「耳うどんのボンゴレロッソ風」(788円)】

 「耳うどん」とは「耳」の形をした「うどん」。
 佐野の郷土料理なのだそうです。
 なんだか、南イタリアのプーリアのパスタ「オレッキエッテ」を思い出します。

 その耳うどんをパスタ風に、あさりとトマトソースに絡めたのが
 「耳うどんのボンゴレロッソ風」。

 オレッキエッテよりも大きな耳です。
 食感は、ほとんど「うどん」。もちもちしていて、「すいとん」に近い感じ。
 ニンニクのきいたボンゴレソースと耳うどん、けっこう合います。美味しいです。

 この耳うどんの「耳」とは何でしょう?

 一説によると、悪い神様の耳を意味しているそうです。
 この耳を食べてしまえば、家のなかの話を悪い神様に聞かれることがないので、
 一年間悪いことが起こらないそうです。つまり「魔除け」ですね。

 また、別の説では──
 耳を食べてしまえば、他人の悪口が聞こえなって、噂話が耳に入らず、
 ひととの交際がうまくいく、ということです。

 なるほど。
 あれこれ、いろんな話が入ってくると、自分のペースが守れませんもんね。

 さて。
 聴覚はとても重要な感覚。
 『チベットの死者の書』でも、臨終を迎える人の最後に残る感覚は聴覚なので、
 亡くなりつつある人の耳もとで、お坊さんがお経を唱えて、
 極楽にいけるようにする、と読んだ記憶があります。

 耳は、たいせつですね。

 そういえば、沖縄には「耳切坊主(みみちりぼうじ)」という歌がありました。
 

 

 ちなみに、こちらが、プーリアのガリポリで食べた「オレッキエッテ」です。
 
プーリアのガリポリで食べた「オレッキエッテ」【プーリアのガリポリで食べた「オレッキエッテ」】
 
南イタリア・ガリポリの海岸線
【南イタリア・ガリポリの海岸線】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です