桑名・赤須賀(あかすか)でハマグリ漁の取材をしました。
木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の河口域にある桑名。
450年以上の漁の歴史があるそうです。
一時、桑名のハマグリは絶滅の危機に瀕しましたが、
いまは復活の兆し。
赤須賀に来て驚いたのは、こんなに近くに長良川河口堰があること。
四日市コンビナート、木曽岬の埋め立て、火力発電所の温排水、地盤沈下、徳山ダムの建設などで、
木曽三川の水の流れは変えられ、水質や水温も悪化。
広大な干潟と汽水域はどんどん狭められ、
赤須賀にはさまざまな苦難が襲いかかってきました。
そんなシビアな状況をはね返し、ハマグリの種苗生産をし、
人工干潟で漁師たちはハマグリの赤ちゃんを育てました。
「大都会のすぐ近くのこの桑名で、漁業が成り立っていること自体、奇跡的なこと。
ぜんぶ母なる川=木曽三川のおかげです」
漁協の組合長が言っていました。
漁師たちが、山と川と海、そして人を、つないできた成果が上がりつつあります。
川も経済も血液も、流れてなんぼ、とつくづく思います。