ゴールデンウイークの合間。土曜日の夜。
「The Bar草間GINZA」にお邪魔しました。
マスターの草間さんからは、古武士のような、背筋のしゃんとした香りが立ってきます。
でも、その気配はやわらかい。
「バーテンダーはスタンダードから始まり、スタンダードに終わる」
と草間さんはおっしゃいます。
スタンダードは絶対にごまかせないからだと。
そこでオーダーは、やはり、マティーニ。
ジンはプリマス。ヴェルモットはマルティニ・ドライ。
オレンジビターズを1ドロップ🍸
ステアを終えるタイミングは、「氷が『いいよ』と言ってくれるとき」だそうです✨
慎ましやかに、でも、しっかりと香りが立ち上がってきます。
やわらかいのに、「骨」がある。
職人の骨がきらきらと輝いています。
水を、ジンやヴェルモット、ビターズにいかに練り込んでいくか。
そこが美味しさの分かれ道だと。
カクテルには、「水」が大切なんですね。
草間さんのギムレットも素晴らしい。
ローズのコーデュアル・ライムジュースとプリマスジンを半分ずつ。
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』に登場する、あのギムレット。
上品な甘さと酸味、ほのかな苦みのバランス。
フィリップ・マーロウは
「ほんとうのギムレットはジンとローズのライムジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだ。
マティーニなんかとてもかなわない」
と言っています。
ぜひ、マーロウの飲んだギムレットを、The Bar草間GINZAで。