月刊「地域人」での連載「港町ブルース」。 (発行:大正大学)
2022年7月15日売り(83号)。
木曽川、長良川、揖斐川(いびがわ)の河口域に位置する赤須賀(あかすか)漁協で、
「桑名のハマグリ」復活をはじめ、
シジミの資源激減やシラウオ漁の話を聞きました。
桑名のハマグリは最盛期3000トンありましたが、
長良川河口堰の建設などで、1トン未満に減少しました。
しかし、30数年の努力の結果、近年ようやくハマグリ再生の兆しが見えてきました。
赤須賀漁協の水谷隆行組合長は、
「木曽三川は母なる川。海水と淡水の混じり合う汽水が、
赤須賀の漁業を成立させています」
と語ります。
そして、若き日に、水谷さんは、
「ぼくらの問題は、市民とのつながりがなかったことや」
と気づき、
その後、地元の人たちとのコミュニケーションを深め、絆を深めていきました。
それは、やがて、赤須賀の海は、木曽三川はもちろん、その上流の山々とつながっている
という認識にたどりつきます。
水谷さんは、「山・川・海のつながりを強めることができたのも、長良川河口堰のおかげ」と言います。
「いろいろマイナスの状況があったとしても、
それをプラスに変えることはできます。
ぼくらは地道に努力を続けてきました。
そうすると、不思議なことに出合った方々が助けてくださる。
テクニックとか理論とかやなくて、やっぱり、ハートが通じたら、
道は開けると思うんです」