池波正太郎『鬼平犯科帳』で美味しそうに飲んでいた「芋酒」をつくってみました。
芋酒とは、山芋を摺って酒に入れたもの。
元気になる酒と書かれています。
酒は「総がかり・龍」。
先日、上越高田に泊まり、このお酒を知りました。
「越後・謙信まつり2022」のために、上越妙高地域の14蔵元の酒を特別にブレンドしたものです。
やわらかく奥行きがあり、後味スッキリ。
「芋酒」の芋は、上越からの帰路、上信越道の小布施PAで購入しました。
『鬼平犯科帳』の「兇賊」には────
神田・豊島町一丁目の、柳原土手に面した一角に、
「芋酒・加賀や」
と染めぬいたのれんをかかげ、ごく小さな店をやっているのだが、
気が向かなければ店の戸を開けもしない。
それでいて、
「芋酒は加賀やにかぎる」
近辺では評判がよい。
芋酒というのは・・・・・・。
皮をむいた山の芋を小さく切って笊に入れ、これを熱湯にひたしておき、
しばらくして引きあげ、擂り鉢へ取って、たんねんに摺り、
ここへ酒を入れる。
つまり、ねり酒のようにしたものを、
もちいるときに燗をして出す。
作るのは、ひとり働きの盗賊「鷺原の九兵衛」というおやじ。
盗みをしないときは、芋酒屋(居酒屋)をやっている、という設定。
鬼平(中村吉右衛門)が、この店で、美味そうに芋酒を飲むのです。
おやじは、米倉斉加年や小林稔侍が演じていました。シブい物語でした。
さて、その芋酒。
ぼくは、「総がかり・龍」に摺った芋を混ぜて、何度もステア。
とろりとして、健康によさそうな味わい。
食前酒(アペリティブ)として、ぴったりです。
大人の白酒、のような感じでした。
鬼平が芋酒を飲むのがよくわかりました。