月刊「地域人」での連載「港町ブルース」。(発行:大正大学)
2022年11月15日売り(86号)。
今回は、静岡県焼津市にある小川(こがわ)漁協を訪ねました。
小川は巨大な焼津港のすぐ隣にある港。
マグロやカツオの遠洋漁業で有名な焼津に対して、
小川は、サバ・アジ・イワシなどの沿岸・沖合漁業を中心としています。
「小川」と書くと、ふつう「おがわ」と読みますが、この港は「こがわ」なんですね。
で、「こがわ」=「サバ」というふうに、
小川サバをブランド化しようとした漁協女性職員の取り組みを書きました。
総務課員の大寺素子(おおでらもとこ)さんは、
それまでは、郵便物の仕分け、給料や社会保険の計算などデスクワークのみをやっていました。
組合は、完璧な縦割り組織で、事務員は事務の仕事。
現場(市場や冷蔵庫の仕事)は現場のみ。融通のきかない役場のようだったそうです。
ところが、サバをブランド化するときに、
当時の組合長から白羽の矢が立ちました。
まったく右も左もわからない状況の大寺さんと直属の上司である法月宏樹(のりつきひろき)さんとの
二人三脚のプロジェクトがスタートしました。
似非官僚組織のような漁協が、この二人の熱のある仕事で
どんどん変わっていく様子は、うかがっていて、とても興味深かったです。
「さばチキン」という小川サバを使った大ヒット商品も発売。
いまや、小川(こがわ)といえば、サバ、と
いうふうに徐々になりつつあるそうです。
そんなこんなの話を、「地域人」には書きました。
よろしければ、ぜひ、ご一読ください。