爽やかな冬晴れの空の下、
池上本門寺(いけがみほんもんじ)にはじめてお参りしました。
本門寺の門前に、くず餅屋さんが四軒あることを知り、
プルンプルン系が大好きなので、以前から行こう、行こうと思っていたのでした。
二子玉川から池上まで、クルマでなんと30分。
とても近いので、びっくり。
本門寺は、池波正太郎『鬼平犯科帳』シリーズの一作「本門寺暮雪」を読み、
そして観て知ったのです。
鬼平=長谷川平蔵が、「凄い奴」と呼ばれる刺客との決闘が展開されるのが、
本門寺の石段(96段)。
この「凄い奴」はほんとうに強敵で、鬼平は危機一髪になります。
そこを救うのが、一匹の柴犬。
門前の茶店でくず餅を食べていたときに、平蔵になついた犬でした。
その犬が後を追ってきて、
「凄い奴」に噛みつき、鬼平を助けてくれるのでした。
そんなこんなの、「本門寺のくず餅と柴犬」。
中村吉右衛門(鬼平)と夏八木勲(鬼平の後輩)が石段で敵と戦うシーンを
思い描いていると、
なんと、一匹の柴犬がひょっこり。
いやあ、すごいシンクロニシティ。
飼い主に名前を訊くと、ウニ。1才4カ月だそうです。
運命の出会いに感謝しながら、食べたくず餅の美味しかったこと。
はんぺんのように白っぽく、三角形にカットされたくず餅。
きな粉が、たっぷりかかっています。
ねっちりもちもちした食感がいいです。
そして、上品な甘さの黒蜜。
とくにこの店(池田屋)では、黒蜜かけ放題。これがいい。
きな粉の色が、心なしか、柴犬いろ。
池上、池波正太郎、池田屋・・・池つづきです。
くず餅屋さんの向かいは、いまでは東京で見かけなくなったような酒屋さん。
二子玉川からこんなに近くに、いにしえの情緒が残る土地があることに
感動した数時間。
ほんと、夢のような小さな旅でした。