豊島屋さんは、東京でいちばん古いお酒屋さん。
創業は1596年(慶長元年)。
関ヶ原の合戦の4年前から。
江戸の頃は、白酒が有名で、
ひな祭りの前には、店には大行列。大混雑。
『江戸名所図会(えどめいしょずえ)』にもその様子が描かれています。
社長のお名前は吉村俊之さん。
同じ吉村。
同じ京都大学出身。
そして、同じ射手座。
とても深い縁を感じます。
さて。
そんな豊島屋さん。江戸時代には、酒屋の店先で酒肴を楽しませました。
居酒屋のはじまりです。
その立ち飲み居酒屋には、あらゆる階層のひとたちが集まりました。
なんといっても、原価で飲ませる酒。
そして、安くて、大きくて、何杯も酒が飲みたくなる豆腐田楽。
この田楽がいまも楽しめると聞いて、行きたかったのが、
神田錦町の神田スクエアにある「豊島屋酒店」。
こちらで食べました。飲みました。
しかも、吉村社長とご一緒に。
憧れの田楽は、豆腐がほどよく硬く、お焦げがこんがり、良い香り。
味噌は上品な甘さで、豆腐にぴったり。
社長お薦めの、純米無濾過原酒「十右衛門」をぐびり。
おだやかな香り。
ほのかな辛口。
後味に、ほんのりとした酸味。
これは何杯も飲みたくなる、ドリンカビリティー最高のお酒です。
外はポール・デルヴォーの絵に出てくるような夕暮れの空。
李白の詩にある
「一杯一杯復(また)一杯」の
秋の一日でした。