さて、今日は、アジア各地をめぐりましょう。
まず、最初は台湾に行きましょう。
「台湾のへそ」といわれる街、プーリーは、
まさに、台湾の地理のど真ん中に位置しています。
プーリーへは、台北から新幹線で台中まで1時間。
台中のバスターミナルから1時間かけて行くことができます。
山に囲まれ、冬は暖かく、夏は涼しい気候。
雨も多く、マコモダケやパッションフルーツなどの生産が盛んですが、
なんといっても、プーリーの名産は、世界に誇る「紹興酒」。
というのも、酒造りにぴったりの、おいしい水が、豊かにあるからです。
ストレートで飲むと、シェリーのような、
上品なナッツのような香りがします。
ふんわりと、豊かな甘みが特徴です。
台湾風の飲み方は・・・お燗して、
漢方薬の仙草(せんそう)で味つけした梅干しを
グラスに一つ落として、ゆっくりとブランデーのように味わいます。
プーリーの紹興酒の醸造所では、「紹興酒のアイス」を売っているそうです。
日本にも醤油ソフトクリームや、そばソフトクリームなど、
ご当地ソフトクリームありますもんね。
一度、プーリーを訪れて、紹興酒の醸造所を見学したり、
ご当地アイス食べてみたいです。
そして、プーリーの隣町、霧社(ウーサー、日本語ではムシャ)にも訪れてみたいです。
日本統治時代に「霧社事件」が起こった地です。
この事件を描いた映画『セデック・バレ』は、2013年に、日本でも公開されました。
この映画を見て、日本と台湾の歴史をより深く考えるようになりました。
では、「霧社事件」を描いた映画『セデック・バレ』のサウンドトラックから、
『The Soul Of Seediq Bale』、続けて、テレサ・テンの歌で「梅の花」どうぞ。
___________________________________
M1.『The Sould Of Seediq Bale』 05:05
M2.テレサ・テン「梅花」 2:32
___________________________________
さて、次は、インドネシア。
ぼくは、1984年の年末に初めてバリ島に行き、
それ以来、バリにはまって、10年間で、計13回、島に通いました。
バリ島で初めて生ビールを飲んだときの感動は忘れられません。
冷凍庫でキンキンに冷やしたジョッキに、生ビールが注がれ、スッキリとした味わいで、
ホップの爽やかな香りがしていました。
バリ島に行くと、ビールばかり飲んでいたのですが、
やがて、それだけでは物足りなくなって、島の酒を飲めるワルン(食堂というか居酒屋というか)
を発見して、そこでトゥアックという椰子酒を飲むようになりました。
夕方になると、集まってくる島のおじさんたちの輪の中に入って、このトゥアックを飲む。
これが、また、美味いのです!
トゥアックは、乳白色に濁っていて、
しかも水色のポリバケツに入っているんです。
店の親父が、このバケツから柄杓(ひしゃく)で、
蠅のたかっていたコップにゴボゴボとお酒を注いでくれるのです。
甘酸っぱい味。どちらかというと酸っぱさが勝っています。
店の親父は、「日持ちがしないので、一般にはなかなか流通しないんだ」
と言っていました。
このトゥアックを蒸留したものが、アラックという透明なお酒。
北原白秋の詩のなかに「アラキの酒」という言葉が出てきますが、
中近東や北アフリカ、インドやマレーシアで飲まれる蒸留酒は、
みな「アラック」と呼ばれています。
アラックという言葉はアラビア語が起源で、中近東の蒸留技術が伝わっていったのが、
この「アラック」という言葉の広がりでわかりますね。
ちなみに、アラックは、「汗」を意味する言葉だそうです。
蒸留器から滴る液体が、「汗」に見えたんでしょうね。
では、インドネシアのぼくの好きな歌手、へティ・クース・エンダンの歌で「愛の涙」。
「汗」じゃなくて「涙」ですね。
なんと、この曲の入っているアルバムの名前は、「うぶ毛がそそり立つ」です。どうぞ。
__________________________________
M4.へティ・クース・エンダン「愛の涙」 4:08
__________________________________
さて、今日、最後は韓国で翼を休めましょう。
韓国のお酒で、ぼくが好きなのは、やはり、「マッコルリ」。
こちらも乳白色で、見るからに、美味しそう。
本場の韓国で飲むと、日本で飲むマッコルリよりも、さらに美味しく感じます。
韓国で飲むのは、「生マッコルリ」といわれ、
製造の最終段階で、加熱殺菌を行わず、
酵母が生きているので、微炭酸で、爽やかな味わいです。
マッコルリは、韓国で最も歴史のあるお酒と言われています。
もともとは、農作業をする人が、疲れた身体をいやし、
空腹を満たすために飲まれていたので、「農酒(ノンジュ)」とも言われるのだとか。
お米や小麦から造られるマッコルリが圧倒的に多いのですが、トウモロコシや栗、
ジャガイモ、蕎麦などのマッコルリもあるそうです。
マッコルリには、なんといっても、チヂミ。
とくに、韓国では、雨が降るとチヂミを食べてマッコルリを飲むことがあるようです。
チヂミを焼くパチパチという油の音が、雨音に似ているので、
洒落て食べるという話を聞いたことがありますが、
雨の日にお酒を飲みたくなるというのは、ぼくもそうです。
どうしてでしょう? 不思議ですね。
でも、雨の日が楽しくなることは、確かです。
では、韓国のR&Bグループ、Brown Eyed Soulで『RAINY』を聴きながら、
今日はお別れです。
チヂミを食べて、マッコルリを飲むと、きっと命は縮みませんよ~。
伸びるはずです。お後が、よろしいようで。
ご案内は吉村喜彦でした。
___________________________________
M7.『RAINY』 BRONW EYED SOUL 4:58
___________________________________
(選曲リスト)
「ザ・サウンド・オブ・セデック・バレ」
アムイ・スル
(5分00秒)
<FORWARD MUSIC 11-20755>
「梅の花」
テレサ・テン
(2分32秒)
<ポリグラム TACL-2509>
「そこに何があるの?」
ジョウ・シュン
(3分40秒)
<ユニバーサル TOCT26198>
「愛の涙」
ヘティ・クース・エンダン
(4分08秒)
<BOMBA BOM2013>
「ライト・イヤーズ」
スシーラ・ラーマン
(4分21秒)
<ユニバーサル TOCT26198>
「酒飲みの歌」
アンダ・ユニオン
(2分32秒)
<ライス PPR-23180>
「レイニー」
ブラウン・アイド・ソウル
(4分58秒)
<RHYTHM ZONE RZCD-59980/B>